研究報告
夜間高校生を対照とせる血液梅毒反応に就て
杉浦 靜枝
1
,
伊達 富男
1
,
早川 博
1
1三重県四日市保健所
pp.47-48
発行日 1953年4月15日
Published Date 1953/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201200
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1.緒言
Toreponeum Pallidumの感染に依り惹起される疾患即ち梅毒は古くから知られて居る疾患の一つである。今次大戦後我国に於ける梅毒の増加は顕著なものであるが阪野氏は,その増加を年令別に観察し高年令層を除き各年令層共著明な増加を示すが,特に11〜20才の若年令層の増加度が21〜30才の好発年令層の増加と略等しいことに注目して居る。梅毒の如き疾病の年次的変動は平時は平衡状態を保つて推移しつつあるが社会状態の変動に伴つて感染の機会が増大する様な場合には新生患者が増加し而して若年令層にこの影響の強く現はれる事が推察される。余等は某高校夜学生徒約475名に対し集団梅毒血清反応を実施したが是等生徒は主に晝間職場に於て労務に従事し夜間学徒として苦学するものであるが調査した結果は血液ワツセルマン反応は全部陰性者なりしも誘発試験の意味に於て更に検討確認の必要あるもの数名あり。
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