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氣象醫學の研究(I)—氣象變化と生體反應
鳥居 敏雄
1
1東大物療内科
pp.3-9
発行日 1952年12月15日
Published Date 1952/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201137
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A.まえがき
氣管枝喘息,關節リウマチ等の症状が氣象變化と共に消長したり,ある種の患者が天候の變化を或る程度豫知できることは古くから臨床醫家に知られている事實である。氣象醫學の研究の系譜については增山1)2)の詳細な論文があるのでこゝではあまり觸れないことにする。ギリシヤ時代より知られていた氣象變化の特定症状乃至疾患誘發の經驗的事實に對して,近代醫學的な研究の基礎を與えたのはドイツのB. de Rudder3)である。彼はその當時天氣の解析,豫報などに有力な手段となつて來た氣團論的な考えを醫學に導入し,氣象病發生の原因を氣團交替の際の前線通過に歸した。
アメリカのW. F. Petersen4)5)は特定氣團と疾病及び生體現象との關係を詳細に調査した。
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