研究報告
水,特に浴水の淋菌汚染並にその消毒に關する研究(第2報)—水,特に浴水中の淋菌のクロラミン其他による殺菌試驗成績
齋藤 功
1
,
小林 正武
1
,
大坪 正一
1
1東京都立衞生試驗所
pp.44-48
発行日 1952年10月15日
Published Date 1952/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201120
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本報は標記の研究第1報「鑿井水並に浴水中の淋菌の生殘時間に就て」と併行して行われた殺菌實驗の概要である。
浴水は入浴開始後の状況により有機物含量が種々である。一般に水の殺菌は,その水の有機物含量の如何により殺菌劑の效果に相當の差異を來すことが多い。單純な鹽素劑に於ては特にそうである1)2)3)9)。從來浴水の消毒は2,3の先人により試みられた事があるが5)6)7),鹽素乃至晒粉が殺菌劑として用いられた爲,入浴者に對する刺戟性が強く實用に適しないとされたが,たとえこの點が解決されたとしても,消毒所要量が浴水の水質の變化に伴い絶えず變動して對應するに困難であろう1)2)3)4)。本實驗に於ては主なる供試殺菌劑として局方クロラミンを選び,他の諸種殺菌劑を對照とした。クロラミンを選んだ理由はクロラミンは殺菌效力が水中有機物量により多く影響されず,入浴者に對する刺戟が消毒所要量位の投入によつては問題にならず,加うるによく長期間の貯藏に耐え,取扱も簡單で危險が少いからである。
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