研究報告
土壤及び塵埃中に含まれる蛔虫卵の浮遊法に關する研究
松崎 義周
1
,
今園 義盛
2
,
中條 惟基
3
1横濱市立大學醫學部寄生虫病學教室
2東京都立衞生研究所
3横濱醫大
pp.42-44
発行日 1952年10月15日
Published Date 1952/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201119
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緒言 蛔虫の感染經路として土壤,塵埃が重要なる意義のある事は内外諸學者によりて報告されている。吾々の教室でも本問題に就いて研究を行い其の一部は既に報告している處であるが土壤,塵埃等に含まれる蛔虫卵の檢出には常に困難を感じている。この事は蛔虫卵の蛋白膜が土壤,塵埃等の微粒子に附着する爲に單に蛔虫卵の比重のみを考慮に入れた浮遊法のみでは完全なる檢出が出來得ない1つの原因ではないかと考える。研究者の1人,中條は,この間題に就いて土壤,塵埃中に含まれる蛔虫の蛋白膜を先ず脱落させた後浮遊法で檢出を行い稍々滿足なる結果を得,後日發表の豫定である。
私等は在來の浮遊法で土壤,塵埃中に含まれる蛔虫卵の何%が檢出出來得るかと言う問題と,浮遊法に若干の工夫,即ち振盪器を使用,振盪を加え浮遊させる方法とに就いて研究したる結果,若干の知見を得たので茲に報告したい。
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