研究報告
衞生教育とその評價—寄生虫豫防の問題について その1
小泉 明
1
1東京大學醫學部公衆衞生學校室
pp.31-33
発行日 1952年3月15日
Published Date 1952/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201013
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最近衞生教育は公衆衞生事業のうちでもとくに大きくとりあげられてきており,それに關する報告も日を追つてその數をみつつある。1)2)3)4)5)しかしながらその多くは主として急性,慢性の傳染病に關するものであつて,わが國公衆衞生の現状では見のがすことのできない寄生蟲豫防を,とくに衞生教育とその評價という觀點からとりあつかつたものは,行政的にも要請が大きいことを考えるとき,十分にそれにこたえられる程の數を得ていないかにみうけられる。
著者の所屬する教室では,過般來某金層鉱業の從業員を對象としての健康管理をおこなつており,その手はじめとして目下寄生蟲豫防對策を實施中であるが,これと併行し各鉱業所において,映畫,スライド,ポスター,壁新聞,鉱業所内アナウンス,座談會等のほか,社宅地區の家庭訪問等の方法によつて各種の衞生教育をこころみつつある。その際從業員あるいはその家族の寄生蟲豫防に對する關心の程度,あるいはその衞生知識の水準を把握することは寄生蟲豫防對策それ自體にとつても有意義かつ必要であろうとの考の下に,衞生教育における評價Evaluationの問題を中心として次に述べる調査をおこなつた。
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