研究報告
農村の飮料水井戸の環境種々相
村江 通之
1
,
坂口 平
1
,
河津 博
1
1米子醫科大學衞生學教室
pp.228-230
発行日 1951年4月15日
Published Date 1951/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200826
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現在農山漁村の衞生に關しては論じなければならない問題が山積しているが飮料水もその一つである。この問題は農山漁民自身は無論のこと,衞生監督當局すらこれを輕視し,何らこれに對する指導も對策も實施しておらない。日本人は一般に井戸水であればそれが如何なる環境條件下にあろうと一向に關心を持たないで飮用に供している。
また我國の先輩の井戸水に關する研究調査報告は多數あるが,主として水質檢査のみを報告して,環境條件の調査研究は忘却され,僅かに城氏の香川縣内飮料水用井戸の調査(1),中村,森の東津輕郡下小學校飮料水試驗(2)福井,川津は夏季飮食物の衞生學的謂査の際に井戸の環境條件を論じ(3),大村,佐藤,廣瀨等は塵埃捨場の遠近の井戸に及ぼす影響を述べているに過ぎない。
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