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百日咳の疫學的觀察
平山 雄
1
,
阿部 怜子
1
1公衆衞生疫學部
pp.200-202
発行日 1950年11月15日
Published Date 1950/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200746
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百日咳の疫學は,わが國に於ても,小山(1)その他多くの研究があるが,なおかなり問題を殘しているとゝもに,ジフテリア,猩紅熱の減少傾向をよそに,年々流行を繰返す麻疹及び百日咳は今後の防疫の焦點でもある。麻疹は今もなおなんら封策が講ぜられていないが,百日咳に對しては,最近豫防注射問題が眞劍に取り上げられており,何病の場合でも,豫防注射の效果判定には極めて愼重な檢討を要すことはいうまでもない。百日咳の豫防注射の效果判定の示標として,小山(1)は「家庭内二次罹患率」を提唱しており,現在各研究者共その方向にむかつているようである。しかし,この示標についても,疫學的な立場からの基礎的研究が必要と思われるがこゝに,素質問題,潜伏免疫,家庭内における傳播樣式などを檢討しよう。
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