研究と資料
昭和22年の東京都に於ける發疹熱の疫學的觀察
池田 和雄
1
,
吉田 修一
1
1東京都衞生局防疫課
pp.295-298
発行日 1949年3月25日
Published Date 1949/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200441
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
緒言
發疹チフスは我國では外來傳染病であつて海港檢疫の對象の一とされて居る重大な傳染病であるが發疹熱は我國に於ては常在病であつて常時散發流行を見て居る。兩病は其症状類似し且つW.F.反應も共に陽性である。それ故に一朝發疹チフスの傳染原が國内に侵入して流行の勃發する場合は,内地に常在流行する發疹熱とこれを區別する必要に迫られるものである。そして兩病の鑑別は補體結合反應と凝集反應の他,兩病の對蹠的な疫學的特性によるものである。私達は昭和22年東京都に發生したtyphus fever172例中,北岡氏による血清反應の結果發疹熱と診定された125例より他機關の血清反應の一致しなかつた養育院内集團發生例58例を除いた殘り67例にっき其疫學的觀察を行つたので其結果を報告する。
Copyright © 1949, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.