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食糧資源より見た國内榮養對策
有本 邦太郞
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1厚生省榮養課
pp.125-127
発行日 1950年10月15日
Published Date 1950/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200714
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我國の食糧事情は順調な輸入食糧の救援にもよるが國内生産も増加して次第に好轉し,從つて國民榮養状態も漸次戰前のそれに回復しつつある。
圖1は厚生省が實施している榮養調査から熱量及び蛋白質の攝取量について,その推移を畫いたものである。即ち一人一日當り攝取量をみると,熱量,蛋白質ともに年とともに増加し,昨24年度においては年間平均,都市は熱量1972Cal.蛋白質67.7gであり,農村は熱量2165Cal.蛋白質64.6gという成績を示している。これを國民食糧榮養對策審議會(22年9月)が決定した國民一人一日當り標凖榮養量と對比すると,都市においては熱量,蛋白質ともに約10%の不足であり,農村においては蛋白質は約14%不足であるが,熱量にあつては標凖量をわづかに超えていることになる。即ち食糧資源よりこれを解釋するとき,國民のカロリー及び蛋白必要量を充すになお10%内外の不足があるということになり,榮養的には熱量及び蛋白質の攝取量に關する限り標準必要量の約90%にまでこぎつけたということが推論される。
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