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公衆衞生はいかに教育さるべきか
内田 早苗
1
,
川畑 愛義
2
,
野邊地 慶三
3
,
齋藤 潔
1小學校
2中學・高校
3醫科大學
pp.21-27
発行日 1950年7月15日
Published Date 1950/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200676
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小學校の健康教育
一 小學校における健康教育の意義
生れてから死ぬまでの一生涯を,健康で過すことが出來るか否かは,その人間の生活樣式なり或いは生活態度如何に因る場合が多い。殊にその際健康に關する習慣の形成状態は深い關係をもつている。從つて健康生活を正しく導くことは,既に乳幼兒期から必要なものと考へられる。幼少年期においての行動は,殆んど自然的欲求に從うものであるが,逐次發育階梯を追つて理智的思考が可能になる。小學校兒童の満6年から12年迄の年齡は,このような立場から健康生活の育成に重要な意義を有するのである。
小學校教育は義務教育であつて,必身の發達に應じて初等普通教育を施すことを目的としているが.この目的實現のための一要素として,健康・安全で幸福な生活のために必要な習慣を養い,心身の調和的發達を圖ることが極めて重要である。即ち小學校における健康教育は,一生を通じて健康生活を實踐し得るような基礎的習慣を啓培するために,努力が拂はれなければならないのであつて,健康教育の意義はこゝにあると云へよう。
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