資料
勞研に於ける工業中毒の研究
久保田 重孝
pp.270-279
発行日 1949年11月15日
Published Date 1949/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200555
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勞働科學研究所に於ける職業病の研究は昭和4〜5年に紡績工業の靜脈瘤,難聽等を對象として開始され,その後,鉛中毒,珪肺,ニコチン中毒等について個別に行われて來たが,昭和13年に職業病研究室が設けられてから漸く本格化した。
この頃,既に日本産業の情勢は,重工業,化學工業,電氣通信工業等の發展,新興によつて昭和初年の状態は一新されており,職業病の發生状況も亦著しく複雜化した。即ち,一方に於て高熱作業の熱中症,他方に於て化學工業の諸工業中毒が問題となつて來たのである。爾來,勞研の職業病研究室に於ては主に工業中毒の,衞生並びに生化學研究室に於ては高熱作業の研究が進められたのも,この樣な社會的要請に應えたものに外ならない。
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