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珪肺の調査—勞働衞生實態調査抄報〔2〕
黑田 芳夫
1
1勞働基準監督
pp.54-55
発行日 1949年7月15日
Published Date 1949/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200500
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1.金屬鑛山の珪肺
金屬鑛山の珪肺は,すでに1932年以來の國際珪肺會議で取上げられた有名な職業病であるのに,我が國では全く頬かぶりで押通して來た。然し昨年遂に機熟して,國會で取上げ,勞働省がそれを引受けることになつた。これが爲に,昨年,東京,慶應,慈惠,東北の各大學に依囑して,レントゲン撮影機を持つた巡回檢診班を出し,その外鑛山にレントゲン設備を有つ所には檢診を要託し,主な鑛山52の坑内勞働者2萬以上の間接撮影と,4000枚の直接撮影を終つた。この結果はいろいろな角度から檢討され,珪肺對策協議會の名に於て正式に發表されるのも間近だから,發表後に又本誌上をかりてお知らせする。珪肺發生の病理,結核との親和性,治療又は豫防としてのAlO2微粉の吸入などの珪肺の本格的研究を目指す,國立研究所も栃木縣鬼怒川に近く開所,發足の豫定である。
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