研究と資料
昭和23年の國民死亡著減分析
渡邊 定
1
1厚生省統計課
pp.287-290
発行日 1949年3月25日
Published Date 1949/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200439
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厚生省豫防局衞生統計部の調査によると昭和23年の國民死亡數は約96萬人である。
茲に約96としたのはこの中には多少前年度屆遅れの死亡を混じて居るからである。之を昭和22年の國民死亡1,138,238人に比べると實に18萬人弱の減少である。明治33年以來。わが國の國民死亡が1ヶ年100萬人以下を示したのは,人口の少なかつた明治34,5年頃であり,以後は110萬乃至120萬を示したに對し昭和23年の死亡が96萬餘となつたのは洵に驚嘆すべき事實である。しかも昭和22年の國民死亡も大戰前で最も死亡状態の良好であつた昭和10年に比べて約15萬人の減少を示して居ることを考えると,昭和23年の死亡の減少の著しいことが餘計に分るのである。之を人口1000對の死亡率で言えば,昭和10年は16.8であるのに對し,昭和22年は14.9で昭和23年は12.0を示して居る。昭和22年に比べてどうして18萬も死亡が減少したかについて先ず其の死因を死亡實數について速報的に分析してみよう。たゞ死因については目下11月分までしか判明して居ないのでその材料による。
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