「完全看護の盲點」を讀んで
完全看護を國民の與論に
守屋 博
pp.27-28
発行日 1951年11月15日
Published Date 1951/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906958
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東京と横濱の間に,汽車の會社が三つあつて,お互に競爭していたとします。Aの會社は,ボロボロの線路で,貨物車の樣な,箱にお客をすしずめにして立つたままで,運ぶ事にします。その代り,料金は,10圓です。Bの會社は,今の湘南電車の三等位で立つているお客は一人もありません。料金は60圓とられます。Cの會社は,エアコンディションで,ソーファに坐つて音樂を聞きながら,横濱につく事が出來ますが,料金は300圓もかかります。
さてどの會社が一番,もうけるでしようか,お客さん即ち國民のフトコロ具合によるでしよう。終戰直後の我々だつたら,きつとAの會社のが勢一杯であつたでしようが,今では大多數がBを選ぶでしよう,アメリカであつてはCが普通と思われるかも知れません。
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