特集 第2囘日本公衆衞生學會演題
午後の部
(32)葡萄状球菌性中毒に關する研究—第1報 蛋白練製品の細菌汚染度に就て
八田 貞義
1
,
宇都宮 則久
1
,
春日 齊
1
,
依田 源次
1
1厚生省東京衞生試驗所細菌部
pp.164-165
発行日 1949年1月25日
Published Date 1949/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200415
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近次,細菌性食物中毒ははサルモネラ菌症と葡萄状球菌中毒症とに限定しようとする傾向がある。葡萄状球菌はもともと自然界到る所に存在するものであるから,このものが食品に附着増殖して中毒物質を産生する可能性は動物性の蛋白食品に於て大きいものと思われる。私達は魚類蛋白を主材とする所謂蛋白練製品が今日の主なる蛋白給源となっている現状に鑑み,これ等食品が如何程有害なる細菌例えば葡萄状球菌等によつて汚染されているかの状況を知るべく,衞生細菌學的な調査を行つた。なお人畜排泄物による汚染指標としての大腸菌群試驗をも併せ行つた。檢體としては家庭臺所と直結する市場乃至は個人店に於て販賣されている。半ペン,竹輪,サツマ揚,等を東京都廳食品衞生監視員諸氏の御協力を得て收去したものを用いた。
實驗方法:—收去した檢體は食品別に先づ生理食鹽水を以て10倍稀釋の乳劑液となし,以下所定の如く稀釋して,普通寒天及び遠藤寒天に混釋,37℃に48時間培養した。遠藤培地は赤變菌の算定に,普通寒天培地は一般細菌數竝に葡萄状球菌の算定と葡萄状球菌株の分離に,0.5%乳糖ブイヨンは大陽菌群數の算定に供した。なお檢出大腸菌群の型別はIMVID-systemによつた。
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