研究と資料
チフス性疾患に於ける血中菌檢出成績及び血清凝集反應に及ぼすAdrenalinの影響
池田 和雄
1
1都立豐多摩病院
pp.206-207
発行日 1948年8月25日
Published Date 1948/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200330
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生體内の種々の臓器に分布する網状内被細胞系が,流血中の細菌,コロイド等の異物を攝取し消化して血液を淨化する一方,其の病原體に對する免疫體を構成し,蓄積する機能を有する事は,古くから先人の認めてゐる事實である。從つて此の細胞系を刺戟する事により,其の中に攝取されてゐる細菌若くは其の中で構成,蓄積されてゐる免疫體が,流血中に移行するであらう事は容易に推察される事であつて,Irdelp, N. O. Guchan;安原氏等は此の事實に注目し,Adrenalinを注射して此の細胞系を刺戟する事により,流血中の菌檢出率を高め得る事を認めた。
私は氏等の研究を追試すると共に,Adrenalinにより此の細胞系を刺戟し,殊に脾のチフス免疫構成に對する意義を檢討する爲め,凝集素産生の影響に就て考察し,次の成績を得た。
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