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月島地區小兒に於ける百日咳罹患に關する觀察
室橋 豐穗
1
,
武田 操
1
1都立中央保健所
pp.178-179
発行日 1948年7月25日
Published Date 1948/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200323
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昭和22年6月末現在月島地區に居住する昭和16年1月以降出生の乳幼兒全員に對し,百日咳罹患に關する調査を行つた。本調査は前囘報告した麻疹罹患調査と時を同じうして行はれたが,可及的精確を期する爲に,全世帶に對する家庭訪問に依つて爲されたものである。
家人不在の爲詳細不明の者を除く,該當小兒2461名中,既に百白咳を經過せるものゝ數は833名で,經過率33.85%であつた。之を昭和18年故三原博士が同地區の略々同年齡層の1545名に就て行つた成績(經過率は28.30%)と比較するに,今次調査の方が稍々高率に現はれてゐる。年齡別經過率は圖に示す如く,各年齡共今次調査の方が稍々高率であり,滿1年−2年兒に於ては其の差異が比較的著明に認められるが,全體的の傾向には大差がなく,特に顯著な流行が存しなかつたことを示すものゝ如くである。年度別及び季節別に見るに,經過年齡明かなる819名に就ては表の如く,秋季に少き以外は,春,夏,冬,各季共其の數に大差を認めない。但し,昭和22年は7月−12月の分を含まぬから,之を算入すれば夏及び冬季は其の數を稍々増加して春季と略々接近した數を示すことゝ思はれる。
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