研究と資料
月島地區小兒に於ける麻疹罹患に關する觀察
室橋 豊穗
1
1東京都中央保健所
pp.477-482
発行日 1949年6月25日
Published Date 1949/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200486
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昭和22年は全國的に麻疹の大流行が見られた。本調査の對象となつた月島地區は,戰時中一部に建物疎開のあつた以外には戰災を被つて居らないので,戰後著しく人口が増加し,從つて小兒の人口密度も著しく高く,麻疹の流行も甚だ激烈であつた。
1.觀察方法。觀察の對象としては全地區に居住する,昭和16年1月以降出生の全小兒(年齡滿6年6月未滿)を選び,調査方法は,可及的正確を期する爲に,凡て保健婦及び余等の全世帶に對する家庭訪問に依つた。之は相當の苦勞を伴うが,罹患状況,合併症の状態を詳細に聞き得るのみならず,また育兒榮養,療養等の諸指導を併せ行ひ得る利益があるためである。調査期日は昭和22年6月末現在。調査對象は総數2453名で,その年齡構成は次の如くである。
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