研究と資料
東京都江戸川區の水田マラリア特にその傳播蚊發生状況について
細井 輝彦
1
1東京都衞生局防疫課
pp.100-108
発行日 1948年6月25日
Published Date 1948/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200307
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1.緒言
東京都江戸川區には古くから土着性マラリアがあり,現在でも年々少なからぬ新感染が行われている。これが對策の資料として,都廰防疫課では,昭和21年に野崎勇氏が,主として患者發生状況を調査されたが,筆者はその後を承けて,22年6月から10月まで,蚊の發生状況を調べた。
蚊族調査の方法は,人員,資材,期間に制限があつたので,幼蟲の定性的蒐集に限局し,區内全域の主要水系を,期間内に1巡する計畫で始めた。しかし種々の事情から,地域によつては,單に視察だけで終つた所が少くない。また季節による差異を比較するため,一部の地區では,異る季節に2,3巡の蒐集を行つた。
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