特輯
ヂフテリア豫防接種化膿問題に關する實驗的檢索—明礬トキソイド使用
卜部 義雄
1
1埼玉縣大里郡醫師會
pp.373-376
発行日 1947年3月25日
Published Date 1947/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200117
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昭和21年11月當地方に汎く行はれたヂフテリア豫防接種に於て,接種後皮下に化膿を起した者が多數出たので,一般民衆に豫防接種に封する恐怖感を起さしめ,稍々もすれば今後行はる可き豫防接種を忌避するが如き傾向さへ見えたので,化膿の眞の原因を探求して今後再び斯くの如き不祥事の起らない様にするため調査を行ふ事とした。然し元より地方小開業醫であり,且つ連日多忙餘暇を以てした調査であるから不備の點有るは免れない。
1)化膿率 郡内3町29ケ村につき化膿率を知るため各町村長に對し接種施行人員(第1囘接種)の報告を依頼し,他方郡内開業の醫師に取扱患者の報告を煩したのであるが,町村長からの報告は極めて良好で2ケ村の未報告があつたのみで他の30ケ町村からは全部報告を受けたが,醫師からの報告は少く郡内診療所72の内36の報告を得たのみで36診療所からは報告を戴けなかつた。
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