研究報告
齲蝕とその豫防に關する實驗的研究(第1回報告)—弗化物の齲蝕細菌發育阻害作用に就いて
帆足 望
1
1東京慈惠會醫科大學公衆衞生學教室
pp.32-34
発行日 1952年10月15日
Published Date 1952/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201116
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(1)緒言
斑状歯の疫學的研究に端を發した現在の弗素による齲蝕豫防の公衆歯科衞生的研究は,漸く研究期を脱して實踐期に入つている。その臨地應用法としては,個人衞生を基礎に置いた弗素歯面塗布法topical application offluorides(fluoridization)と公衆を對象とした水道水弗素投入法fluoridation of public water supplies(fluoridation)の2法5)がある。此の他mouth washes,dentifrices,prophylactic cleaning mixtures,lozenges,pastels,chewing gum,fluoride bath等の利用法6)が研究されているが,その效果は未だ不明である。此の樣に弗素は今や齲蝕豫防法の寵兒として登場したのであるが,その齲蝕豫防作用機轉に就いては未だ充分に解明せられていない。現在の所最も確からしい弗素の齲蝕豫防作用機轉は凡そ次の如きものである。
1)Fイオンが琺瑯質に作用してaciduric bacteriaの産生する酸に對して歯質を難溶性にする。
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