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このコラムでも何度もご紹介しているさんぽ会(多職種産業保健スタッフの研究会,http://sanpokai.umin.jp/)ですが,2月の月例会は元NHKディレクター北折一氏を講師にお招きし,「ためしてガッテンに学ぶ健康教育」と題して人の心を動かす健康教育の極意についてご講演頂きました.北折一氏は,元NHK科学・環境番組部専任ディレクター,「ためしてガッテン」演出担当デスクで,1995年から「ためしてガッテン」の立ち上げに参加し,以来「NHKスペシャル」1本を除き,丸18年間,一貫してガッテンの制作にあたられた方です.北折氏との出会いは2009年の花王「保健指導力プラスワン」セミナーで,一緒に講演を担当させていただき,その明快で痛快な語り口調と含蓄ある内容に大変感動しました.いつかさんぽ会でご講演を…と思っていましたが,講演は2年待ちと大変ご多忙で,今回やっと実現しました.
ご講演のツカミは,ご自身の10kg以上の減量体験と筋トレの成果です.コミカルな写真と「デブのくせに運動しても,苦しい,痛い,痛々しい」などの軽快な語り口調で,すっかり専門職の興味を引きつけます.「運動だけで減量効果を出すのは難しい」と同じような内容を伝えようとしていても,そこに工夫が加わることで印象はまったく変わるという実例を次々と繰り出します.そして「健康情報,伝えようとしちゃってませんか?」という問いかけから,意外性のない健康情報の説明や,「運動しましょう」,「野菜を増やしましょう」というような「魔性(ましょう)の攻撃」で,専門職が健康教育や保健指導で陥りがちな「自分たちが正しいと思っている健康情報や価値観の押しつけ」がいかに効果がなく,逆に不快感を与えるかを指摘されました.
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