特集 転換期の結核対策―医療と予防
結核感染診断検査の原理とその検査の実施上の課題
原田 登之
1,2
1一般社団法人免疫診断研究所
2公益財団法人結核予防会結核研究所
pp.297-301
発行日 2013年4月15日
Published Date 2013/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102708
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
現在,日本を含む多くの先進国において,結核感染の診断法は,これまでのツベルクリン反応(ツ反)よりも診断能の高いInterferon-Gamma Release Assays(以下,IGRA)が推奨されている.IGRAは,BCG(結核予防ワクチン)やほとんどの非結核性抗酸菌は存在しない結核菌特異抗原で,エフェクターT細胞を刺激し,産生されるInterferon-Gamma(以下,IFN-γ)を測定することにより結核感染を診断するため,BCG接種やほとんどの非結核性抗酸菌感染の影響を受けずに,高特異度で結核感染を診断できる検査法である.
IGRAには,QuantiFERON-TB Gold In-Tube(日本ではクォンティフェロン®TBゴールド,通称QFT-3G)と,T-SPOT. TB(日本ではT-スポット®.TB,以下T-スポット)の2種類があり,IFN-γを検出する方法が異なっている.
本稿では,両検査法の原理と,それぞれの実施上の課題について述べる.
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.