特集 独居高齢者と健康
独居高齢者の孤独感―その要因と支援
藤原 武弘
1
1関西学院大学社会学部
pp.693-696
発行日 2012年9月15日
Published Date 2012/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102522
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孤独感とは
孤独感とは,個人の社会的関係のネットワークにおいて,量的・質的いずれかの重大な欠損が生じているときに生起する不快な体験と定義される1).つまり孤独感は,社会的関係の不足から生じる,主観的な体験である.したがって客観的な社会的な孤立とは区別される.また孤独の体験は不快で苦悩を与えるものである.
こうした孤独感はどのように調べられるのであろうか.Russellらは「改訂版UCLA孤独感尺度」を開発し,20の設問からなる一連の質問項目に対する反応から孤独感を測定しようとした2).現在ではそれを日本語版に翻訳した尺度も開発されている3).具体的には「私は人とのつきあいがない」「私には頼りにできる人が誰もいない」といった設問に対して,「よくある」「たまにある」「ほとんどない」「決してない」の4段階で答える仕組みで尺度は構成されている.そして20項目の合計得点(20点から80点の範囲)で,その人がどの程度孤独であるかどうかが判別できるようになっている.
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