予防と臨床のはざまで
第85回日本産業衛生学会健康教育・ヘルスプロモーション研究会
福田 洋
1
1順天堂大学医学部総合診療科
pp.668
発行日 2012年8月15日
Published Date 2012/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102514
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今年5月30日に,第85回日本産業衛生学会(名古屋,http://jsoh85.umin.jp/)にて,健康教育・ヘルスプロモーション研究会を行いました.元UFJ銀行の埋忠洋一先生が長年主宰されていた研究会ですが,特定保健指導開始前の2006年から引き継いで早7年,職域の健康教育,ポピュレーションアプローチ,人事との連携,企業風土,組織の禁煙推進などを取り上げてきました.今年は昨年に引き続き,テーマを「働き盛り世代におけるヘルスリテラシーII」として,さらに実証研究に役立つ議論を行うことを目的に研究会を行いました.一般演題オープンの前日であったにもかかわらず,約40名の方にご参加頂きました.
最初に私から,昨年までの研究会の歴史と,研究会として働き盛り世代のヘルスリテラシーについて継続的に取り上げる理由についてご説明しました.2010年,ロンドンにDon Nutbeam先生(英国,サウサンプトン大)を訪ねた経験から,日本の企業が長年取り組んでいるヘルスプロモーション活動や,従業員の健康に関する自己管理能力を高める取り組みがヘルスリテラシーに関係する可能性についてお話しし,ヘルスリテラシーに内包される多様な意味,例えば臨床と公衆衛生,米国と欧州,リスクファクターと資産(アセット)について,Nutbeam先生と議論できたことをお伝えしました.続いて2人の演者の先生から,ミニレクチャーを頂きました.
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