連載 人を癒す自然との絆・36【最終回】
「人を癒す自然との絆」を絶やさない明日へ―福島の被災猫との出会いから見えてきたもの
大塚 敦子
pp.546-547
発行日 2012年7月15日
Published Date 2012/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102472
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今年の1月,動物愛護団体の里親募集の呼びかけに応え,福島第一原発の警戒区域内で保護された猫を引き取った.尻尾の長い茶トラの雄猫.右目が白濁し,猫エイズウイスルに感染してはいるが,まだまだ元気だ.
福島第一原発の周辺では,事故で住民が緊急避難を余儀なくされた後,それまで人間とともに暮らしてきたペットや家畜が,生きる術もないままとり残された.原発から20km圏内が警戒区域に設定され,避難が長期化する中,多くの動物たちが餓死したが,この猫キティは運よく助かった.命を見殺しにするわけにはいかないと,敢えて警戒区域内に入って救援活動を続けてきた人々に救われたのだ.
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