連載 人を癒す自然との絆・15
施設の中にいても自然界との絆を
大塚 敦子
pp.864-865
発行日 2010年10月15日
Published Date 2010/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101926
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犬や猫などの動物とともに老人ホームや医療機関を訪問する動物介在活動(アニマル・アシスティッド・アクティビティ=AAA).日本でもすでに定着した感があるが,AAA先進国のアメリカでは,AAAをさらに発展させたさまざまなプログラムが行われている.その中で私が一番好きなプログラムのひとつは,マサチューセッツ州に拠点を置くネイチャー・コネクションというNPOの活動だ.
彼らのプログラムのユニークな点は,動物たちだけではなく,その季節の自然の風物を持ち込むことによって,たとえ施設の中にいても自分が自然界の一部であることを感じてもらうという点にある.春なら野の花々,新緑をつけた木々.夏にはバケツに入れた海水,砂,貝殻.秋は色とりどりの落ち葉,まだ香りのする松葉や苔など.そして冬には,つららや雪まで持ち込んでしまう.
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