連載 フィールドに出よう!・6
その先で待っているのは,成長した自分と元気な子どもたち―ザンビアHIV母子感染予防に関するフィールド調査
大川 純代
1
1東京大学大学院医学系研究科国際地域保健学教室
pp.489-492
発行日 2012年6月15日
Published Date 2012/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102452
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フィールドでのある日の午後
2012年2月23日,ザンビア4度目の渡航から1週間目の午後.夏のザンビアに戻ってたちまち体調を崩した.蒸し暑い部屋で体のだるさ,喉の痛み,絶え間ない咳にじっと耐える.どうしても元気が出ない.facebookにぼやこうにも,インターネットは延々とつながらない.パソコンを開けるが,画面を眺めるばかりで少しも仕事が進まない.すると,突然夕立が来た.屋根を叩きつける大粒の雨,冷やっとした風,湿った土のにおいが五感を刺激した.目が覚めたかのように,「ここはザンビアだった.幼い子どもたちが元気に生きていけるように研究しているんだ」と実感した.
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