予防と臨床のはざまで
ミシガン大学Graduate Summer Session in Epidemiology 2011参加記~その3
福田 洋
1
1順天堂大学医学部総合診療科
pp.962
発行日 2011年12月15日
Published Date 2011/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102300
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3回目のミシガン大学の疫学セミナー,今回は2週目の午前に選択した“Intermediate Epidemiologic Methods(疫学中級)”について書きます.このクラスは,初年度に受けた「疫学基礎」コースの続編で,講師はこのセミナーのチェアマンであるHal Morgenstern教授(ミシガン大学),指定教科書は,Kenneth J Rothman他著(ボストン大学)『Modern Epidemioligy』(Lippincott Williams & Wilkins, 2007)でした.
初日は,疫学の定義「疫学は人間集団における,疾病の発生と健康関連指標に関する学問」から始まり,「観察研究と介入研究」「1次予防,2次予防,3次予防」「研究デザインの種類」「causation(因果関係)」など基本的な内容から,『ロスマンの疫学―科学的思考への誘い』(Kenneth J Rothman著,矢野栄二・橋本英樹翻訳,篠原出版新社,2004)でも紹介される「因果パイモデル」の解説へ進みました.講義スタイルは,綿密に準備されたコースパックを一気に読み上げるやり方で,とにかくスピードが速い! 今まで受講したこの疫学セミナーの講義中で,最も授業のスピードが速いと感じました.さらに,授業中のエクササイズや宿題に加えて,金曜日には試験もあるとのことで,12名いる学生は皆,真剣です.
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