連載 保健師さんに伝えたい24のエッセンス―親子保健を中心に・23
性教育とその周辺
平岩 幹男
1,2
1国立成育医療センタークリニカルアドバイザー
2Rabbit Developmental Research
pp.138-141
発行日 2011年2月15日
Published Date 2011/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102032
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医師になり小児科の臨床や小児救急,脳の研究に携わっていた頃には,自分が性教育に関わるとは夢にも思っていませんでした.保健行政を担当する仕事に就いてから,思春期相談を始めました.そこで中学生の妊娠の相談にも乗るようになり,何年か経った頃,1人の少女が相談に訪れました.中学校3年生で妊娠4か月でした.その背景にもさまざまな問題を抱えていたのですが,保護者も交えて話し合った結果,人工妊娠中絶を選択しました.知り合いの産婦人科医に手術をお願いし,術後も定期的に相談に来るよう伝えましたが,実際には相談に訪れることはなく,数か月が過ぎました.そして中学校を卒業してから,人工妊娠中絶の手術から半年も経たないうちに,彼女がまた私の前に現れました.妊娠4か月でした.性交渉の相手は前とは別の男性でしたし,避妊も不完全でした.結局また人工妊娠中絶をすることになりましたが,「自分の相談は何だったのだろう」と考え直すきっかけになりました.
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