特集 現代の更年期
社会的背景
日本女性のライフスタイルの変化~戦後60年
三砂 ちづる
1
1津田塾大学国際関係学科
pp.94-98
発行日 2010年2月15日
Published Date 2010/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101726
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日本最大の美的産物は象牙細工でもなく,青銅製品でもなく,陶器でもなく,日本刀でもなく,驚くべき金属製品や漆器でもなくて,日本の婦人である.
現世界にこのような型の女性は今後何十万年を経るといえども再びあらわれないであろう.
ラフカディオ・ハーン(1850-1904)
人間そのものは,そんなに変わらない.いくら時代を経ても,科学技術が発展しても,今のところすべての人間は,母親から生まれ,育つものは育ち,育たぬものは育たず,多くは,次の世代を残すための働きに(それが賃金労働であろうが家内労働であろうが)身を粉にし,病を得たり,得なかったりして,死ぬ.いまだ,子宮の外で育ってきた人間もいないし,死ぬことを免れたものもない.毎日,食べて,排泄して,活動し,寝る.人間そのものはそんなに変わってはいない.しかし,このタイトルにある「ライフスタイル」は大きく変わってゆく.
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