特集 感染症再見
死亡者数最大の感染症:肺炎
②高齢者の肺炎の特徴
高橋 弘毅
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1札幌医科大学医学部医学科臨床医学部門講座内科学第三講座
pp.12-14
発行日 2010年1月15日
Published Date 2010/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101705
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高齢者の肺炎の特徴は,嚥下障害,慢性閉塞性肺疾患(COPD)を持つことが多いこと,発熱や咳嗽などの自覚症状が軽い割に重症化しやすいこと,抗菌薬の用量設定に注意が必要なこと,病態回復が遅く遷延化しやすいこと,数日の臥床でもADL(日常生活動作)の低下を招きやすいことである.男性に多く発症し,75歳以上に限ると死因の第3位,90歳以上に至っては第1位である1).高齢者肺炎の多くは誤嚥性肺炎であるが,冬期間ではインフルエンザに合併する肺炎にも要注意である.
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