特集 がん予防
わが国のがん予防戦略の課題と展望
小坂 健
1
1東北大学大学院歯学研究科国際歯科保健学分野
pp.932-936
発行日 2009年12月15日
Published Date 2009/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101692
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がん対策における公衆衛生の役割
ハーバード公衆衛生大学院のBarry Bloom前学部長は次のように述べている.「米国で国民の死因は何かと尋ねたら,医療の人は,41%が心臓血管疾患,24%ががん,4%が糖尿病と答える.しかし,われわれ公衆衛生に携わる者は,19%がたばこ,14%が不適切な食事や運動不足,5%がアルコール関連と議論すべきである.現在の米国の死亡者の230万人のうち,実に50%程度は予防が可能である」1).
これをがんに限ってみると,25~30%がたばこであり,以下アルコール摂取4%,果物と野菜の摂取不足3%等となるであろう2).
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