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WHOの健康都市(以下,WHO健康都市)は非常に広い政策的概念を含んだ取り組みである.保健・医療の分野だけでなく,福祉,環境,教育,文化,まちづくりなど幅広い分野の活動により,都市に住む誰に対しても,その人の持てる力を十分に発揮できるような都市環境を提供する都市のことであり,いわば公共政策の中心に健康の視点を据えている都市と言える1).
WHO健康都市を推進するには,公衆衛生の関係者はもちろんのこと,まちづくりや社会文化などの幅広い関係者の連携が重要となる.市川市は2004年に「WHO憲章の精神を尊重した『健康都市いちかわ』宣言」を行い,企画部内にWHO健康都市担当を設置して組織横断的な体制でWHO健康都市を推進している2,3).またWHOより3回にわたり表彰されるなどの実績が評価され,第3回健康都市連合国際大会の大会開催地に選定された.
大会は本年10月23日(木)~26日(日)までの4日間,「健康で安全な都市社会~それを実現する健康都市の取り組み~」というメインテーマのもと,健康都市連合(The Alliance for Healthy Cities),市川市,第3回健康都市連合国際大会実行委員会の主催,WHO西太平洋地域事務局の共催,WHO健康都市研究協力センターの技術支援により開催される.期間中,尾身茂WHO西太平洋地域事務局長による基調講演,高野健人東京医科歯科大学大学院教授を学術委員長とした分科会,参加市長による市長サミットなど,世界20か国,70数都市から,市長や行政職員,学術関係者,NPO・市民活動団体などの幅広い分野の専門家による意見・情報交換が予定されている.また大会は市民参加型の開かれた国際大会を目指しており,海外からの参加者と市民・一般聴講者の交流の機会も設けてゆく予定である.
現在,より多くの方に会場に足を運んでいただけるよう,魅力ある大会の準備が進められている.本稿では,WHO健康都市の取り組みおよび国際大会の開催概要について紹介したい.
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