特集 自治体中心の新たな健康政策―Health Impact Assessmentの導入
健康影響評価の概要とその応用の可能性―背景,概念,定義,基盤,手法など
藤野 善久
1
1産業医科大学公衆衛生学教室
pp.483-487
発行日 2009年7月15日
Published Date 2009/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101587
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国や地方自治体が実施するさまざまな政策や事業,また時には企業による事業が,結果として予期せぬ健康影響を招くということを,多くの地域が経験してきた.Health Impact Assessment(HIA:健康影響評価)とは,影響評価(Impact Assessment)の手法の1つで,1990年代頃より諸外国において積極的に活用されてきたものであり,提案された政策・施策・事業に対して,健康影響を予測し,不利益を最小化し,便益を最大限にするように政策形成に貢献しようという試みである1,2).すでに欧州を中心に,ダム建設や空港建設などの大型事業や地域開発,雇用政策など,さまざまな分野で活用が始まっている3).
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