今月の主題 慢性肝炎をめぐる諸問題
慢性肝炎の概念と定義
亀田 治男
1
Haruo KAMEDA
1
1東京慈恵会医科大学・第1内科
pp.832-835
発行日 1980年6月10日
Published Date 1980/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216542
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はじめに
慢性肝炎という病名のもとに診療されている症例はきわめて多い.しかし,慢性肝炎の診断根拠,あるいは概念の確立という点に関しては,検討すべき問題が残されている.とくに,慢性肝炎の概念を,臨床症状や経過,肝機能検査,肝の病理組織所見のいずれに主な基盤を置いて考えるべきか,これら各所見の相互の関連はどうか,急性肝炎や肝硬変と慢性肝炎の境界に位置する例をどう扱うか,欧米の考え方との相違に関する問題点はなにか,などである.
ここでは,慢性肝炎の定義あるいは概念について,これらの諸問題に関する考えをも含めながら,記載することとしたい.
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