特集 自治体中心の新たな健康政策―Health Impact Assessmentの導入
自治体における健康影響アセスメントの実践―その手順と方法
石竹 達也
1
,
星子 美智子
1
,
原 邦夫
2
1久留米大学医学部環境医学講座
2帝京平成大学地域医療学部
pp.488-492
発行日 2009年7月15日
Published Date 2009/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101588
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健康影響アセスメント(Health Impact Assessment,以下HIAと略す)は健康を指標とした行政評価を目的とし,1990年初頭より欧州を中心にEU諸国で実施され始めた.HIAとは,提案された政策,施策,事業によって生じる可能性のある健康影響や健康事象に関連する要因(健康の社会的決定要因)の変化や,影響を受ける集団および集団の属性の違いによる影響の違いを事前に予測・評価することによって,健康影響に関する便益を促進し,かつ不便益を最小にするように提案された政策,事業を適正化していく一連の過程と方法論のことである1~3).今回,われわれはある地方自治体の「中核市」移行に伴う健康影響についてこの方法を適用したので,本稿にて紹介するとともに,自治体主導のHIAの導入意義や課題について論じる.
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