特集 公衆衛生の人づくり・2 専門性を支える公衆衛生人教育
日本公衆衛生学会における公衆衛生専門職制度の検討
相澤 好治
1,2
1北里大学医学部衛生学公衆衛生学
2前日本公衆衛生学会専門職制度検討委員会
pp.176-179
発行日 2009年3月15日
Published Date 2009/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101512
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公衆衛生の目的は,すべての人々があらゆる生活の場で健康を享受することのできる公正な社会の創造であるとされている1).公衆衛生活動はすべての生活活動に関わるため,多職種が参加する必要があり,活動する場所も多様である.それぞれの担当者が各々の技量を発揮し,他職種と協同して活動に参加することが求められる.協同して取り組む上で,職種間に共通する公衆衛生マインドと公衆衛生に関するコアとなる知識および能力が必要となる.
現在は,その能力を認定するシステムが存在しないため,公衆衛生従事者は個別に目標を設定して勉強し,修練している.それはそれでよいと思われるが,意欲のある公衆衛生従事者がより高いレベルの到達目標を持ち,かつあるレベルに到達した公衆衛生専門職を社会的存在と認知させるためには,その評価と認定が必要であると思われる.専門医制度と異なり,公衆衛生専門能力が認定されても,今のところ実利は期待しえないが,自己研鑽の推進力として機能すれば価値があると思われる.
認定母体としては,分野の広がりのある日本公衆衛生学会が最も適切であると考えられ,實成文彦理事長の諮問を受けて,3年間にわたり学会内部の「公衆衛生専門職制度検討委員会」で検討してきた.その概要がほぼまとまったので,本稿で紹介したい.なお実施に向けての検討については,平成20年秋から新たに専門職委員会(高野健人委員長)が発足した.
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