視点
住むまちへの愛着が健康なまちづくりのエネルギー―口腔保健,地域の食文化,伝統的な健康法
田沢 光正
1
1オフィスたざわ株式会社
pp.2-3
発行日 2009年1月15日
Published Date 2009/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101479
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筆者は平成20年3月で県を退職した.大学卒業後,歯学部口腔衛生学教室で11年,県職員として21年,公衆衛生の仕事をしてきた.4月からはフリーランサーとして「健康づくり総合アドバイザー・歯科医師」を名乗り,「あなたの地域,職場,学校,グループ,仲間の健康づくり・元気づくりを応援します」と看板を掲げ,公衆衛生の仕事を続けている.本稿では民間の公衆衛生マンとして活動する私のインセンティブにかかわることを,思いつくまま述べてみたい.
もう10年以上前になるが,県の地域活性化事業費により,地区歯科医師会と盛岡保健所が中心となり「南部せんべい&デンタルヘルス」のネーミングで,地場産品の「南部せんべい」(堅くて噛み応えがあり甘くなくゴマ入りでヘルシー)のPRと,8020(ハチマルニイマル)運動の普及の相乗効果をねらった事業を実施した.せんべい業界,タウン誌,PTA,商工会などの参加を得てネットワーク会議を設け,様々なPR事業を行ったが,この活動を通しネットワークづくりでは,それぞれが役割を持って汗を流すこと,共感すること,対等な関係が大切なことを学ぶことができた.また,「地元にはいいおやつがあるんだ」という「南部せんべい」を自慢したい気持ち,地元の食文化への自信,これが活動に積極的に参加することと連携することのエネルギーになることを実感した.
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