特集 第19回社会医学研究会総会記録
自由集会
公害等健康被害者補償救済をめぐって
片平 洌彦
1
1東京医科歯科大学・難治疾患研究所
pp.794-795
発行日 1978年12月15日
Published Date 1978/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205742
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第1日目のシンポジウムに引き続いて表記の自由集会が持たれ,参加者は比較的少なかったが,中身の濃い討論が交された.
自己紹介を兼ねて参加者が出しあった問題は,疾病別にすれば,大気汚染(川崎,北九州),森永ミルク中毒,カネミ油症,新潟水俣病,スモン,そしてマンガン中毒とさまざまであったが,公害・薬害問題としての共通性が自ずと浮き彫りにされ,とくにいわゆる「認定問題」に話が集中した.その中で出された意見は,「医学的診断は治療方法を決めるためのもので,これによって認定される限り切り捨ては避けられない」,「加害者側の巻き返しが出てくると,認定医の判断にも影響が出て,歪められるのではないか」,「医学に認定を背負わされてしまうのは困る.行政は学者に責任転嫁をする.われわれとしても信頼できる政治家,行政家を味方にする必要がある」,「医師等専門家の限界というものを明らかにする必要がある」等々,今後さらに深めるべき重要な内容を含んでいた.
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