特集 現代の貧困と健康
非正規雇用の現状と改善の課題
伍賀 一道
1
1金沢大学経済学部
pp.700-703
発行日 2008年9月15日
Published Date 2008/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101396
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雇用形態の変容,非正規雇用の増加
1990年代半ばから今日にかけて日本の雇用形態は大きく変容した.それは正規雇用(正社員)の減少,非正規雇用の著しい増加によって特徴づけられる.では正規雇用とは何か.他方,非正規雇用とはどのような人を言うのだろうか.
雇用形態を区分するには3つの基準がある.①雇われている雇用主のもとで働く「直接雇用」か,それとも派遣社員や請負労働者のように雇用関係のない別会社に派遣されて働く「間接雇用」か,②期限の定めのない「常用雇用」か,雇用期間が限られた「有期雇用」か,③「フルタイム」か,「パートタイム」かである.正社員あるいは正規雇用とは,〈直接雇用―常用雇用―フルタイム〉の3つの条件を満たす人のことである.他方,非正規雇用は,「有期雇用」,「間接雇用」,「パートタイム」のうち,少なくともひとつに該当する.たとえば,今社会問題になっている「日雇い派遣」は,「間接雇用―有期雇用(日々雇用)―フルタイムまたはパートタイム」である.
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