連載 楽しく性を語ろう―性の健康学・10
同性愛・両性愛
中村 美亜
pp.504-505
発行日 2008年6月15日
Published Date 2008/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101348
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「性同一性障害」という言葉が広まったことで,とても不思議な現象が起きている.学生の多くが,同性を好きになるのは「性同一性障害」だと思っているからだ.“男が男を好きになるのはその人が女だからで,それなら女になればいい”と考えるらしい.どうして“男が女を好きになる”ことに,それほど確信が持てるのだろうか.この思い込みを解きほぐすことから,授業を始めることにした.
まず「自分は異性が好きだと思っている人,異性なら誰でも好きですか?」と,一見突拍子もない質問から始める.そんなこと考えたこともない人がほとんどなのだろう.きょとんとした顔をしている.「誰でもいいってことないですよね.好きなタイプがありますよね.性格,顔型,年,体型,趣味….それに同性だって別に嫌いな訳ではないですよね.スポーツ選手とか,ミュージシャンとか同性でも憧れたり,好きになったりしますよね」.そして,以前,あるレズビアンの人が「私はレズビアンって言っても,別にどんな女でも好きなわけではないんです」と具体例を挙げながら説明してくれたことを話した.
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