連載 楽しく性を語ろう―性の健康学・5
妊娠・避妊・中絶
中村 美亜
pp.68-69
発行日 2008年1月15日
Published Date 2008/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101240
- 有料閲覧
- 文献概要
今回のテーマは重くて,扱いが難しい.教室には,おそらく人工妊娠中絶経験のある女子学生がいる一方で,受講生の8割を占める男子学生の多くが無関心なテーマだからだ(そもそも,この「性の健康学」という科目は,学生の間で頻繁に起こっている“予定外の妊娠”がきっかけになって開講されたと聞いている).授業をする側としては,とても神経を使う.できるだけ自分の価値観を押しつけないように,かつ現実に遭遇している問題から目を背けないようにするには,どういう話し方をしたらいいか.かなり悩んだ末,次のことに力点を置くことにした.
まず,いつものことながら,①正確な知識を身につけてもらうこと.それから,②男子学生にも,人ごとではなく自分に直結した問題と捉えてもらえるように話を提示すること.そして,③避妊を徹底し中絶を防ぐよう強く呼びかける一方で,中絶した場合にはどのような心理的ケアが必要かも考えてもらうこと.以上の3点を念頭に置きながら,授業を進めていった.
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.