特集 ノロウイルス―ウイルス性下痢症
その他のウイルス性下痢症の集団発生事例
4.アイチウイルス感染症
山下 照夫
1
,
伊藤 雅
1
,
皆川 洋子
1
1愛知県衛生研究所微生物部
pp.1001-1002
発行日 2007年12月15日
Published Date 2007/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101207
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アイチウイルスは,1989年,山下らが,カキが原因と推定された胃腸炎の集団発生において,患者の糞便から分離した1).その遺伝子構造からピコルナウイルス科に属する新型ウイルスであると考えられ2),コブウイルス属とされた.コブは日本語の「瘤(こぶ)」に由来し,アイチウイルスが同じピコルナウイルス科のエンテロウイルスと比べて粒子の表面が瘤のようにゴツゴツしていることから名づけられた.アイチウイルスは種名であり,コブウイルス属には他にウシ由来のウシコブウイルス種が存在する3).
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