特集 性差医療から考える―患者の望む医療とは?
わが国における女性外来ブームに見る患者の望む医療とは?
対馬 ルリ子
1
1ウィミンズ・ウェルネス銀座クリニック
pp.743-748
発行日 2007年9月15日
Published Date 2007/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101142
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1980年代の米国のウィメンズヘルス,1990年代の性差医学研究,リプロダクティブヘルス/ライツ宣言などのグローバルな流れを受けて1~3),21世紀になりわが国の女性医療にもようやく新しい波が訪れた.それが,女性にとって敷居の低い医療の窓口,女性外来である.特に,2001年頃から行政主導で公立病院,大学病院などに次々に女性外来が開設され,にわかに活況を呈したが,最近では,当初の混乱も過ぎ去り,それぞれに地域の実情や施設に合わせた形で定着してきているようである.
今後は,わが国の女性医療全般をどうすべきかを,産科医療や小児医療,保育・介護・終末医療をも含めて再考せねばならない時期に来ていると思われるが,女性医療の質の向上にとって最も大切なのは,女性の,患者として当事者としての視点が,医療にどのように反映されていくかであろう.当事者発の女性外来を運営している立場から,これまでのわが国の女性医療の歴史を振り返りつつ考えてみたい.
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