連載 衛生行政キーワード・34
わが国における輸血医療安全監視体制への取り組み
武末 文男
1
1厚生労働省医薬食品局血液対策課
pp.711-713
発行日 2007年8月15日
Published Date 2007/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101136
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わが国における血液製剤に関する出来事と課題(献血と国内自給)
わが国では,毎年100万人を超える患者さんが輸血を受けており,その多くは,命に関わるような危険な状況での治療として輸血が行われています.その輸血医療を支えているのは,多くの国民の“善意の献血”であり,現在,わが国は無償のボランティアによる献血からつくられた血液製剤により国内自給ができる体制を目指しています.
これらの取り組みの背景には,様々な教訓があります.昭和30年代には,頻回に行われた“売血”により,供血者の健康および血液の質が低下したという問題です.そのため,昭和31年には「採血及び供血あつせん業取締法(採供法)」が施行され,供血者の健康を害するような過度な採血を禁止致しました.
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