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Respondent Driven Sampling (RDS)―より信頼性の高い「隠れた集団」研究のための新たなサンプリング手法
野村 由華
1
,
神馬 征峰
1
1東京大学医学系研究科国際地域保健学教室
pp.715-720
発行日 2007年8月15日
Published Date 2007/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101137
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Respondent Driven Sampling(RDS)とは
●「隠れた集団」
社会の中には「隠れた集団(hidden populations)」と呼ばれる集団がある.行動が社会的に認められていない,非合法的である等の理由により,社会から隔絶した集団のことである1).資格外滞在者,(男性)同性愛者,ホームレス,性産業従事者,麻薬注射常用者などがその例である.
「隠れた集団」は,一般の人々に比べ,健康を害しやすい脆弱な環境にある.例えば,滞在資格がない外国人滞在者は,警察に見つかることを恐れて病院に行かないで我慢しているうちに重症になることがある.麻薬注射常用者はHIVに感染するリスクが高いことが知られている.仲間内で注射を回し打ちする習慣や,薬を打っているときに不特定多数の相手と性交渉をする可能性が高いからである.
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