特集 歯周病予防からのヘルスプロモーション
職域における歯周病検診
品川 隆
1
1日立製作所戸塚総合病院歯科口腔外科
pp.409-412
発行日 2007年5月15日
Published Date 2007/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101053
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生活習慣病としての歯周疾患予防
2000年に厚生省によってまとめられた「健康日本21」において,歯科疾患は,糖尿病や循環器疾患と共に生活習慣病と位置づけられた.成人期の歯周疾患予防の目標としては,40歳,50歳における進行した歯周炎罹患者(4mm以上のポケットを有するもの)を3割低下させることが挙げられた.具体的な方法としては,歯間部清掃用具(デンタルフロス,歯間ブラシ)を使用すること,喫煙の健康影響についての知識を普及すること,定期的な検診および歯石除去,歯面清掃と自己管理である.歯周疾患予防により成人期に急増する歯の喪失を防ぎ,最後まで自分の口で食べられるよう「8020」を達成することが重要である.2002年には「健康日本21」が「健康増進法」として法制化された.
現在,政府主導により「健康フロンティア戦略」が,2005年から2014年までの10年計画で,健康寿命を伸ばすことを基本として生活習慣病対策と介護予防に重点を置いて展開されている.歯周疾患による歯の喪失が咀嚼など機能的な障害につながることや,歯周疾患が慢性感染症であることを考えると,成人期からの生活習慣病としての歯周疾患予防が,摂食・嚥下障害があり,口腔ケアが必要な要介護高齢者に対する,まさに介護予防といえるのではないだろうか.
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