特集 歯周病予防からのヘルスプロモーション
歯周病予防における口腔ケア
河野 晴美
1
,
笹川 百吏子
1
1東京都立心身障害者口腔保健センター
pp.405-408
発行日 2007年5月15日
Published Date 2007/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101052
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歯周病予防から全身の健康へ
口の中は硬組織である歯や骨と,軟組織である舌や粘膜がバランス良く存在することで,口腔機能が維持されています.口腔機能は健康を営む上で欠かすことのできない咀嚼や嚥下,会話や呼吸などと関係する重要な働きがあります.しかし,歯周病が引き起こされると,歯を支えている周囲の組織が破壊され,重度になると歯を失ってしまうために,口腔内のバランスは崩れ,口腔機能も良好に保てなくなってしまいます.食生活の入り口となる口腔が機能しなくなると,栄養が摂れず体力が衰え,運動機能の低下から全身疾患を引き起こすことにも繋がり,健康と密接に関与していることがおわかりかと思います.
また歯周病は,大人だけの口腔疾患と思われがちですが,歯周病の初期である歯肉炎に罹っている子どもは多いものです.子どもの時期からの口腔ケアは,健全な身体発育にも大きく影響し,罹患率の高まる成人期から老年期に安定した食生活が保てるように,早期からの関わりとライフステージに合わせた口腔ケアが重要になります.
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