特集 現代の保健所論・1
保健と福祉の統合についての検証
高岡 道雄
1
1兵庫県加古川健康福祉事務所(保健所)
pp.362-364
発行日 2003年5月1日
Published Date 2003/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100865
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統合から分離・独立へ
全国保健所長会が行った保健所と福祉事務所の組織統合のあり方に関する調査研究結果では,平成5年に広島県が保健所と福祉事務所の組織統合を全国に先駆けて実施し,以降,平成14年までに31府県が統合を行っている1).特に平成14年度は,8県が実施,保健と福祉の統合が主たる潮流になってきているように思われる.しかし一方で,平成15年度には保健所と福祉事務所の統合を解消し,独立させる動きも生まれている.
このような分離・独立の動きを見ると,統合の必要性について「伝統的な公衆衛生」に立ち戻り,統合の理念から組織統合による課題までを検証することが必要であると考える.そのためにはまず,「伝統的な公衆衛生」の歴史の中で,保健福祉の統合がどのように位置付けられるかを考察の上,統合の理念について検証する.次いで統合組織における具体的な課題についても検討を加える.
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